特定調停の六つのデメリット
特定調停は弁護士からの人気がよくありません。未払い利息、遅延損害金
などを支払わなければいけないなどの、以下のようなデメリットがあるからです。
【デメリット①】裁判所へ出頭しなければならない
特定調停は簡易裁判所に申し立てます。自ら申立をしたわけですから、期日には
簡易裁判所に出頭しなければなりません。
最低でも2回は裁判所に行かなければなりませんが、債権者の数が多い場合に
は、調停が長く続く可能性もあります。4回、5回と調停が続く場合には、そのつど
裁判所に出向く必要があります。仕事があり、休みをとりづらい人にとっては、ほか
の解決方法よりも大変かもしれません。
申立書も自分で作成しなくてはなりませんし、必要な書類も自分で集める必要が
あります。申立書自体は、難しい書面ではありませんが、見慣れない言葉にとま
どう場合もあるかもしれません。
【デメリット②】申立書が債権者に届くまで取り立ては続く
申立書を提出することに手間取っていると、債権者からしきりに取り立ての連絡が
くることになります。できる限り急いで申立をする必要があります。
【デメリット③】調停を取り下げなければいけない可能性がある
特定調停を申立たけれど、利息制限法による再計算をしても、返済額が意外に減ら
なかったという場合があります。
調停成立の見込みがないと判断できるなら、調停を取り下げる必要も出てきます。
この場合には、個人再生手続きや自己破産手続きによる借金整理方法を考えなけ
ればなりません。
裁判所は、3年間での支払計画を目安に、債務総額の3%程度を毎月支払っていく
だけの資力があるかを調停成立の一つの基準にしています。
調停が成立した場合に作成される調停調書は、判決と同じ効力をもつので、調停で
決まった支払計画を怠れば、債権者は強制執行することができます。ですから、調停
が成立したら、みずからきちんと支払いをしていかなくてはなりません。
【デメリット④】未払い利息・遅延損害金も支払わなければならない
任意整理手続きでは、未払い利息、遅延損害金をカットした元金だけを支払うという
条件で和解を行います。
しかし、特定調停の場合には、調停成立日までの未払い利息、遅延損害金も含めた
金額を支払額と定めます。自然、任意整理手続きに比べて支払う債務額が多くなり
ます。調停が長引けば長引くほど、遅延損害金が増えてしまうのが特定調停です。
特に債権者が多い場合や債権者がゴネる場合には、合意までに時間を要するので
債務者にとって不利益が大きくなります。
特定調停手続きの最大のデメリットが、この「未払い利息と遅延損害金を支払わなけ
ればならない」ということで、ほとんどの弁護士が特定調停手続きを選択しない最大
の理由といわれています。
将来利息については、任意整理と同様に支払う必要がありません。
【デメリット⑤】過払い金を取り戻すことができない
特定調停手続きでは、調停委員が業者に対し、過払い金の返還交渉まで関与して
くれるケースはほとんどありません。原因としては、過払い金返還にいまだ多数の
法律上の争点があること、過払い金額をいくら返済するかの決定権限を有しない
業者の担当者が出てくることがあげられます。回収担当と過払い金担当にわかれ
ている業者があり、特定調停では回収の担当者が出席することが多いからです。
そのため、過払い金の返還手続きについては、別途、弁護士に依頼するしかあり
ません。
【デメリット⑥】事故情報として信用情報機関に登録される
支払いが困難という状況に至ったわけですから、任意整理同様、信用情報機関に
事故情報として登録されます。
そのほか、一部の簡易裁判所においては、特定調停手続きにおいて問題となる
運用(特定調停の運用に問題あり)がなされている場合がありますので注意して
ください。
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